桜姫〜燃焦旋律隊殺於焼跡

2019.10.20 Sunday 20:00

阿佐ヶ谷スパイダースの公演を観にいくのは初めてでした。
といっても劇団化したのはごく最近らしい?ですね。

開演前のロビーには劇団の方がそこら中に居て、お客さんをご案内。こういう感じか〜 ちょっと意外でした。
今回私は「骨と十字架」で知った伊達暁さんが目当てのようなものだったので
入場時、伊達さんに特製チケットに引き換えていただくというイベントがあり
開演前からめちゃテンション上がってしまいました。知らなかったからビックリしたし喜んだ…
なにか声を掛けられればよかった… 無理でした…。

見てよ伊達さんの字 かわいい


1回目は正面席から、2回目はサイド席から観劇したのですが
サイド席はどぎまぎするくらい近かったです。
1回目ではよく分からずに2回目でしっくりくるところがたくさんあったので観て良かった。


続きでネタバレ感想です。ダラダラ書いています。


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劇団によるあらすじ動画 音楽も良いので見てください。
https://youtu.be/MICDcYPL_7c



孤児院・さくら学園で育てられた<桜姫>こと吉田は、いいとこの坊ちゃんに見初められこれから嫁ぎにいく。
吉田はこれまでの人生に違和感を覚え続けている。するとどこからか"音楽"が聴こえてくる。
「物語はあっちで始まりますよ」
目の前に現れる血に汚れた謎の男。しっくりくる吉田。泣き出す赤子。
吉田は嬉々として悲劇のヒロイン街道を駆けていく。巻き込まれる清玄。
しかし清玄は、吉田が白菊の生まれ変わりなのではないかと思っているので吉田と赤子を見捨てることができない。
吉田は"音楽"を追いかけ続ける。

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あの"音楽"は一体なんだったんだろう
吉田にしか聞こえていないものなのかと思ったら、序盤から清玄にも聞こえているみたいだし。
権助にも聞こえているし。聞こえてないかと思ってたら聞こえてた!って感じが凄く格好良かった…。
あの"音楽"は吉田が望んでいた物語そのものだったのかとも思ったのですが多分それもちょっと違って、
運命とか宿命とか なんかそういうもの(あやふや)だったのかな〜 というところで落ち着きました。
吉田は追い求め、清玄は取り囲まれ、権助は忌み嫌い殺す。
それぞれの"音楽"は互いに深く関わりあう。

タイトルからして吉田がこの物語の主人公的なポジションなのかと思いながら見ていたので
終盤の展開には意表を突かれました。
でも思えば最初からこの物語は清玄と権助がメインで描かれているようでした。
いやまぁ3人とも主人公でいいのかもしれないですが。
吉田の「こんなはずじゃなかった!」みたいな台詞が印象的だったので
観劇後に原作となった桜姫東文章のあらすじを調べ直したんですが、
原作では最後に桜姫が権助と赤ん坊を殺してめでたしめでたし みたいな感じらしいので
吉田の想定ルートはこれだったのか〜と あの台詞がしっくり。
劇中に出てくる狐面の男は、吉田がこのルートに乗れるように色々根回しする役目だったのだと思うのですが
入間のことを「もう出番ないよ!」と追い出そうとして失敗していたあの瞬間から
正規ルートから逸れてしまったのかなあと思いました。面白いなあ。
入間はそのあと外から舞台上に入ってくるシーンがあり、それが「物語に異物が混ざる」ような印象で
ゾクっとしました。あとマジで外から入ってくるの面白かった。
舞台の奥の扉が開いて、劇場の裏の路地が見えるのです。何も知らない通行人と目が合うのです。

権助は、吉田の物語に必要な存在として狐面の男が用意した存在であり
また、戦争に関する何か大きな感情の擬人化のようでもあるなあと思いました。
自分のことが分からず、知らない男(狐面)をいつのまにか刺していて、自分自身に怯える権助。めちゃ不憫に見えて…。
自分に対して怯えるどころか輝く視線を送る吉田に対してちょっと引いてる感じだったのがまた良かった。
常識人みたいな反応で。ってか権助はポジションとしては悪党なんでしょうが結構良い人だなあという印象でしたよ。
質問にちゃんと答えてくれるし… 「あぁ可愛いよ」「綺麗だ」ってサラッと言ってくれるし…。惚れてしまいます…
清玄と権助は鏡合わせのような存在。「お前は俺で俺はお前だ」こういうのが凄くツボなので大好きでした。
他人の生を奪いながら、自分は生にしがみつく。
「生きたい」と望む権助の背中を狙う入間の銃口。打ち上がる花火。その花火は白い菊のように見える。
心に残るラストでした。

あと印象的だったシーンは、白菊くんのエンドレス落下シーン。
清玄役の中村まことさんのお芝居がちょっとコミカルだったのもあり、客席からも笑い声が上がってたりしましたが
私はめちゃめちゃ怖くて笑えなかった…。 いやあそこはやっぱ笑うシーンだったのかもしれない。
怖かったんですが、同じことを何度も繰り返しているのを観るのは好きなのでずっと観ていたいなあとも思いました。
あの至るところに穴があく舞台も面白かったです。
バックステージツアー行きたかった〜。時間の都合で参加できませんでした。
「白菊くん」といえば、吉田のことを白菊として迫る清玄はかなり気持ち悪くて良かったし、
権助が一瞬清玄のように「白菊くん!」と声を出すシーンはマジで清玄でゾクッとした。
権助役の伊達さんが凄かった。声が似てるとかじゃなく顔がもうまことさんだったので… こわい…。

結局あの赤ん坊は本当に存在していたのかな。
最初からずっと木偶の人形だったんじゃないのかな〜と考えることができるところも面白かったです。
あの赤ん坊の泣き声はわざとあんな感じだったんでしょうか。作り物みたいでちょっとゾッとする泣き声でした。
赤ん坊を抱いた吉田を祝福するように、混沌とした場をさらに掻き回すように奏でられる"音楽"。
あのシーンわくわくしました。
本当に音楽が良かったし、楽器隊の人たちの表情なども良かった。格好良かったし。


面白かったです!観てからだいぶ時間が経っているので記憶があやふやな部分もありますが
どうしても感想を残したかったくらい面白かったです。
あと伊達さんが本当に格好良かったです。声が良い。シャベルが似合うなぁと思いました。
category:演劇・映画など | by:せみ | - | -